熱を逃さない!断熱材のヒミツ【続編】

熱を逃さない!断熱材のヒミツ【続編】

  1. 電気代の高騰
  2. 断熱材で実験!
  3. 結果発表
  4. 熱処理炉も断熱材で節電

電気代の高騰

このところ、電気代の高騰が続いていますね。
世界情勢の影響で、天然ガス・石油・石炭などの燃料価格が上昇したことも一因のようです。
暑かった夏も終わり、段々と気温が下がっていく中で、そろそろ暖房を使い始めるご家庭も多いと思います。
例年通りに暖房機器を使い、電力の使用量は同じつもりでも、今年は驚くような電気代を請求されるかもしれません!

今回は、以前の記事「熱を逃さない!断熱材のヒミツ」の続編として、使用電力量によって断熱材の効果を検証します。(まだの方はぜひ前編からご覧ください。 >>>「熱を逃さない!断熱材のヒミツ【前編】」

高騰グラフ

断熱材で実験!

断熱材により熱を外に逃さないようにすることで、少ない電力で部屋の中を温めることができます。
断熱材の保温効果については、前回の記事で実験して解説した通りです。
その時の実験で使った装置を再利用して、今回は断熱材による使用電力量の違いを測定します。

1辺650mmの立方体の内部に、熱源として弊社のマイカヒーターを置きました。
前回最も効果に差が出た、以下2つの条件で実験を行います。

条件①:立方体をコピー用紙(厚さ約0.02mm)で覆う。
条件②:立方体をアルミ箔(厚さ約0.02mm)と発泡スチロール(厚さ約10mm)で覆う。

それぞれの測定点の温度を、50℃で1時間維持するための消費電力量の違いを測定します。

実験写真

実験イラスト

結果発表

 条件① コピー用紙条件② アルミ箔+発泡スチロール
1時間の消費電力 0.1849kWh 0.0933kWh
1時間の電気代 5.73円 2.89円
3ヶ月の電気代 412.70円 208.25円

※電気代は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている単価(31円/1kWh R4.7.22現在)で算出しました。

結果はご覧の表の通り。
条件②「アルミ箔+発泡スチロール」の消費電力は、条件①「コピー用紙」の約半分に抑えることができました!

これを住宅の断熱効果として考えるてみると、10年、20年、30年・・・と長期間の積み重ねで、その差は相当なものになります。
実際住宅に用いられる断熱材は高性能のものが開発されていますので、電気代の節約に大きな効果が期待できますね。

熱処理炉も断熱材で節電

工業用熱処理炉にも断熱材が用いられることは、前回の記事でも述べた通りです。
熱が外へ逃げるのを防ぐだけでなく、炉内の温度を安定させ、温度精度の向上を図っています。

メーカーでは、断熱材の材質や取り付け方を工夫し、低電力・高性能の熱処理炉開発にしのぎを
削っています。

>>>工業用熱処理炉についてはこちら

                                      【NS】

工業用熱処理炉