本当に冷たいのか!? 検証! 冷感マスク

マスクがツラい季節到来

マスク着用が自己判断となってしばらく経ちましたが、皆さんはマスクをしていますか?
脱コロナの流れが急速に進み、マスクの着用が緩和されても「中々手放せない」という方も多いと思います。

マスク生活にもだいぶ慣れたとはいえ、やはりこれからの時期は「暑いな~」と感じることも多いですよね。
そんな時、店頭でよく見かける ”冷感マスク” がとても気になりました。
そこで”冷感マスク” はどれほどの効果があるか検証してみました!

マスク着用画像

冷感マスクの原理(接触冷感)

冷感マスクはそのほとんどが、”接触冷感”を活用したマスクです。接触冷感とは、肌に接触した時にひんやり冷たく感じる効果の事です。
「これは、①繊維中に水分を多く含むこと ②熱伝導率・熱拡散率が高いこと ③触った時に少し硬く感じる(シャリ感)ことなどが影響しています。(中略)
こうした特徴を持った生地に触れると、肌から生地へ瞬間的に熱が移動して冷たく感じるのです。」(日本化学繊維協会サイトより)

繊維や生地に限らず、私たちは普段から熱の移動を感じています。
例えば夏の暑い日でも、日陰のコンクリートや金属に触れるとひんやり冷たいですよね。
温度の高い手からコンクリートや金属に熱が移動することで、人は「冷たい」と感じます。
触れた素材の”熱伝導率”が高い(熱の伝わりやすい)ほど多くの熱が移動します。
コンクリートや金属は熱伝導率が高い素材なので、ひんやり冷たく感じやすいんですね。

>>熱の感じ方についての興味深いお話もどうぞ

さっそく検証!

今回検証したマスクは、以下の2つです。
・冷感マスク「ひんやり○○マスク」 (300円/2枚)
・一般的な不織布マスク (540円/30枚)

それぞれマスクを着用して、時間経過とともに温度をサーモグラフィーで測定してみました。

検証結果比較表

※サーモグラフィー:FLIR製FLIR-E6390 室温28℃の少し蒸し暑い環境で検証

冷感マスクを実際に着用してみると、、、涼しい!!!
着用時の画像を比較すると、冷感マスクの表面温度の方が高くなっています。 この時、肌の熱がマスク生地に移動していると考えられます。

しかし時間の経過とともにひんやり感は弱まっていきました。 生地と肌の温度差が無くなると熱移動も無くなるので、ひんやり感はあまり持続しないようです。
マスクを取外した直後の画像を比較すると、若干ではありますが、冷感マスクの方が口回りの温度が低くなっています。

今回一緒に検証したメンバーも「冷感マスクは涼しい」との声が多数でした。体感だけでなく測定結果からも「冷感効果あり」と実証できました。
素材の違いによって、表面温度や体感に大きな違いが出るんですね!!

店頭には様々な種類の冷感マスクが並んでいますので、自分にあったものを探してみるのも楽しいですね。
マスクに取り付けて使用する「マスク用ファン」を併用すると、生地が冷やされてひんやり感が持続するかもしれません。

熱を逃さないのも技術

マスクの内側に熱がこもると不快でしかありませんが、熱を逃さない技術も大事です。
工業用熱処理炉において「熱を逃さない」ことはとても重要で、前回お話した断熱材など様々な工夫がなされています。  (>>前回記事「熱を逃さない!断熱材のヒミツ」はこちら

炉内の温度コントロールには熱源となるヒーター性能が最も重要ではありますが、 炉を構成する素材や構造も大変重要な要素です。

>>>工業用熱処理炉についてはこちら

                                         【NS】

工業用熱処理炉写真