遠赤外線サウナって?

サウナブーム

世間では今、サウナが静かなブームなのだとか。
サウナ愛好家のことを指す「サウナー」という言葉も生まれるほど。
裸の付き合いができる新たなコミュニケーションの場としても認知されているようです。

サウナには、室温が高温で低湿度の「ドライサウナ」、低温でミストやスチームを充満させる「湿式サウナ」などがありますが、最近は「遠赤外線サウナ」に注目が集まっています。
比較的低温で息苦しさが少ないのに、充分な発汗効果も得られるのが特徴で、美容・健康に敏感な海外セレブも多く利用しているとか。
日本では「ドライサウナ」が広く普及していますが、その違いをみていきたいと思います。

サウナ室内の様子 木製の床、壁、2段のベンチ椅子

 

「対流」と「放射」

熱の伝わり方には「伝導」「対流」「放射」の3つのパターンがあります。


最も一般的な「ドライサウナ」は、ガスや電気によるサウナストーブで室内の空気を高温にして、その空気から体に熱が伝わる「対流」という仕組みです。
室温は80〜100℃というかなりの高温に設定され、湿度は極端に低いため、人によっては息苦しく感じてしまうかもしれません。熱した石(サウナストーン)に水をかけて湿度を調節する「ロウリュ」の設備が備わっている場合もあります。

ドライサウナ 空気の対流のイメージ

 

 

一方「遠赤外線サウナ」は、遠赤外線ランプからの「放射」により体を温める仕組みです。
遠赤外線は電磁波の一種で、物質に吸収されて熱に変わる特性があります。


遠赤外線サウナの設定温度は比較的低温の60〜70℃ですが、遠赤外線は人体に吸収されやすいので効率よく体を温め、発汗や代謝アップを促します。
設定温度が低いので、高温のドライサウナが好みの人には少し物足りないかもしれませんが。

ドライサウナは人が出入りするたびに温かい空気が外へ逃げてしまい、再び温度を上げるためにエネルギーを消費しますが、遠赤外線サウナは直接人体を温めるので、エネルギー効率は高いといえます。

遠赤外線サウナ 赤外線放射のイメージ

遠赤外線を放射するセラミックヒーター

工業用ヒーターの世界でも、遠赤外線を放射するセラミックヒーターが活躍しています。
セラミックは遠赤外線の発生効率が高く、肌着や寝具、暖房器具、調理器具などにも広く応用されています。
ガスなど燃焼系のヒーターは先述した「対流」による加熱方式ですが、遠赤外線の「放射」で加熱するセラミックヒーターは高効率な加熱が可能で、加熱時のCO2排出がない、設備がコンパクトなどのメリットがあります。
工業用ヒーターの場合も、加熱対象物に適した加熱方式、電気ヒーターの選定が重要です。

【SK】