ホットプレートに高性能ヒーターをつけてみた

今回の検証内容

工業用の面状電気ヒーターに求められる性能の一つに熱均一性の高さがあります。
場所によるムラが無いよう被加熱物を均一に加熱するためには、大変重要な性能です。
今回は市販のホットプレートと、マイカヒーターを組み込んだ特製ホットプレートを比較して、その加熱分布を検証してみましょう!

市販のホットプレートの熱源は、シーズヒーターと呼ばれる線状の発熱体です(写真左)。
調理するプレートは面状でも発熱体自体は線状で、プレート下の中央付近に配置されています。
これに対してマイカヒーターはプレートと同形状に加工された面状発熱体で、プレート全体を伱間なく加熱できそうです(写真右)。

ではそれぞれ電源を入れて加熱を開始します。
数分が経過し、プレート面もかなり加熱されてきました。ここでマッチングラボ得意のサーモグラフィの登場です。
表面の温度分布を可視化して見ることができます。
さぁどうでしょう?

市販のホットプレートの場合

まずは市販のホットプレートです。
よくみると色ムラがありますね。周辺が赤く、中央部分が白っぽくなっています。白い部分は赤い部分よりも高温であることを示します。丁度ヒーターの形状に沿って高温になっていて、表面に温度ムラがあることが解ります。
それぞれの場所の温度を計測すると、プレート中心が232℃、ヒーター直上が253℃、周辺部が207~216℃程度でした。
一番高いところと低いところでは45℃以上の温度差があります。
実際に食卓で焼き肉やお好み焼きをしていても、よく焼けるところと焼けないところがあるのを実感しますよね。
やはり線状のシーズヒーターでプレート全体を均一に温めるのは難しいようです。

マイカヒーターの特製ホットプレートの場合

次にマイカヒーターの特製ホットプレートです。
違いは一目瞭然!全体が均一な赤色です。
念の為温度も計測してみます。中央付近で215~217℃、周辺部で212~213℃、温度差は最大でもわずか4.7℃でした。

マイカヒーターは、発熱体であるステンレス箔をマイカ板(雲母とも呼ばれる鉱物が原料の絶縁材)で挟み込んだ面状ヒーターです。
折り曲げたりこそできませんが、約1mm程度の薄型で自由な平面形状・大きさに加工でき、耐久性にも優れています。熱均一性は検証した通りです。

今回の検証結果

今回の検証で、やはり市販のヒーターと工業用ヒーターとでは性能に大きな差があることがわかりました。
家庭用のホットプレートでここまでの性能は必要ないかも知れませんが、大事なことは目的に応じた適切なヒーターを選ぶことです。
今回使用したマイカヒーターは昭和鉄工製です。昭和鉄工のマイカヒーターは特に高い温度分布精度をもつことから、精密機器製造装置等で幅広く利用されています。
ただ均一にするだけでなく、面内の特定の箇所だけ温度を高く(低く)するといった設計も可能です。
熱源の的確な温度コントロールが必要な場合は、ぜひ一度ご相談ください。

【HY】