電磁波と熱の関係

電磁波と熱のはなし

このコラムは、熱と密接に関わっている「電磁波」の基礎的なお話です。

電磁波とは

電磁波とは、電界(電気の力が働く空間)と磁界(磁気の力が働く空間)が互いに影響しながら空間を伝わる波のことをいいます。
波の山から山の長さを波長といいます。波長が短いほど多くのエネルギーを持っています。

電磁波の種類

電磁波はその波長によって呼び分けられ、波長の短い方から「ガンマ線」「X(エックス)線」「紫外線」「可視光線」「赤外線」「マイクロ波」「電波」等に分類されています。
それぞれの波長の持つ特性を活かして、医療機器や家電・通信機器など様々な用途に利用されています。

光も電磁波の一つです。
一般的に可視光線が「狭義の光」、赤外線から紫外線の広い範囲が「広義の光」とされています。
太陽光も電磁波で、紫外線の一部・可視光線・近赤外線が地表に届き、地球の生命活動の可視光線 根源的なエネルギー源となっています。

電磁波と熱

電磁波の持つエネルギーは物質に吸収されると熱に変わります。
金属以外の多くの物質は、遠赤外線の波長を吸収しやすい特性を持っています。
つまり、遠赤外線によって温められやすいということです。赤外線が「熱線」と呼ばれるのはこのためです。

逆に、熱を持った物質からは電磁波が放射されています。
物質の温度が高いほど、エネルギーの大きい(波長の短い)電磁波が放射されます。
例えば鉄を熱すると、初めは目に見えない赤外線を放射し、温度が上がると赤い光(波長の長い可視光線)を放ちはじめ、さらに高温になると黄色く光ります。

電磁波と電気ヒーター

工業用の電気ヒーターには多くの種類がありますが、発熱の方法や使用される温度帯など特徴も様々です。
例えば高温域で使用されるハロゲンランプヒーターは、近赤外線から可視光線の一部を放射するので、近赤外線をよく吸収する金属の加熱に適しています。
比較的低温域の遠赤外線ヒーターは、その名の通り主に遠赤外線を放射するので、暖房機器や調理器具など、金属以外の物質を加熱する熱源として幅広く用いられます。

電磁波のことをよく知って、最適な電気ヒーターの選定や効率の良い活用にお役立てください。