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ヒートポンプ外気処理機
2021/07/26

コロナウィルス対策と快適性向上を目指した外気処理機! 体育館の換気モニタリング開始

sts design
昭和鉄工

産学官協同のモニタリング検証を開始!

当社が本社と主力工場を置く福岡県糟屋郡宇美町。最近ではコロナウイルスワクチン接種で独自の効率的な接種方法が「宇美方式」として話題になりました。ご紹介する宇美町住民福祉センターはそのワクチン接種会場にもなっている町立の体育館の1つです。このたび、この体育館で産学官協同での外気処理機による換気効果のモニタリング検証を行うことになりました。



機械換気設備のない体育館のソリューション

体育館はイベントとしての用途も多い施設です。スポーツ大会はもちろん、学校においては入学式・卒業式をはじめ各種発表会等、人が集まるさまざまな行事に活用されています。また災害時には避難場所としても利用されています。従来体育館はガラリによる自然換気のみで、エアコンはもちろん機械換気設備もないため、コロナの影響により体育館を使用するイベントが軒並み中止されました。今後は体育館(屋内運動場)といえども機械換気は避けて通れない課題です。



事実、全国小中学校教室の空調普及率は98.8%ですが、地方市町村の体育館においては3〜4%程度に留まっています。体育館は災害時の避難所として、最近はワクチン接種会場としても利用されるため、国としても35%の普及を目指して、早急な空調の整備を求めているところです。当社ではコロナ禍の中、空調製品を手がけるメーカーとして特に換気の重要性を考え、外気処理機の提案をすすめてきました。特に機械換気設備のない体育館では感染リスクが高まる可能性があるため、給気・排気の導入量や位置・数・電気容量等の設置シミュレーションを行ってきました。

外気処理機のモニタリング提案

2020年10月、宇美町に換気用外気処理機モニタリング設置の提案を行い快諾をいただきました。その後、宇美町のご担当と協議を重ね、2021年6月、無事に当該体育館に設置を完了し運転を開始しました。まさにコロナワクチン接種の真っ只中でした。既存体育館への後付設置は当社としても初めての試みでした。設置されたシステムは換気を行うケアフレッシュという外気処理機です。ケアフレッシュは大量の外気を吹き込み、排気ファンで屋内空気を排気することで、給排気のバランスを保ちながら内部の換気を強制的に行います。外気は内蔵されたヒートポンプで設定した温湿度になるように処理して給気されます。



※ケアフレッシュの詳しい説明はこちらから

体育館の給排気システム

体育館内への給気口は天井角に並列され、排気口は反対側の床レベルに設置しました。 給気・排気を対角方向に配置することで大空間の体育館でも効果的に空気の入れ替えが可能です。排気は一部ケアフレッシュが設置されている直近の壁からも行われています。この室内空気から熱回収してケアフレッシュの効率向上を図るためです。



換気想定容積(ステージ含む) 8,606m3
排気装置能力(1時間当たり) 10,000m3
 排気量(1時間当たり)  0〜7,500m3
熱回収還気量(1時間当たり) 0〜5,000m3



ケアフレッシュ本体は給気口と壁を隔てた屋外スペースに設置されました。限られたスペースだったためダクトの配置に苦労しましたが、デマンドアップ対策の発電機とともになんとか収まりました。


天井角に1列に並ぶ給気口
 
排気口(有圧換気扇)は対角の床レベルに設置

外気処理機
 
給気・熱回収ダクト

電源供給の発電機(デマンドアップ対策)
 
事務所内から制御
発電機による
デマンドアップ対策
  デマンドアップによる電気料金増加を避けるため、ケアフレッシュの電源は石油燃料による発電機で供給されます。自己完結で運転可能なため、災害停電時にも避難所として使用できます。


設置効果

取材した日は温湿度とも高い状況でしたが、空調のないロビーより体育館に入ると明らかに涼感があります。対流と除湿の効果だと思われます。別日に測定した温湿度が下記の表です。この日は朝から雨模様で温度はそれほど高くはありませんでしたが、梅雨特有の湿度が重く感じる天候でした。

  外気 ロビー 体育館内空調無し 体育館内空調有り
温度(℃)  23.4  23.6  24.5  22.8
湿度(%)  78.2  74.4  74.5  65.4



エアコンのように一気に汗が引くような涼しさではありませんが、体育館内は外気やロビーより明らかに快適で、換気を行いながらもしっかりと除湿されていることが実感できました。体育館のような大空間の完全冷暖房空調は大きな導入コストと運転コストが普及の妨げとなっています。今回の換気外気処理機は、必要な換気を行いながら、外気を設定した温度で送風して空調の補助とすることで、完全冷暖房空調に比べ1/4〜1/5のコストで導入可能です。ヒートポンプと熱回収技術による省エネ運転で、ランニングコストも抑制できます。まずは換気を十分に行うこと、次に少しでも快適になるように外気を処理することがケアフレッシュの役割です。本格的なモニタリングに先立ち行ったスモーク換気実験では、計算通り1時間で体育館全体の空気の入れ替えを確認しました。1時間を約30秒に縮めたタイムラプス映像でご確認ください。



今後は宇美町の協力も仰ぎながら、九州大学と共同で換気効率やPMV測定等の検証・研究をすすめていく計画です。

モニター開始セレモニー

去る7月16日には「産・学・官連携による機械換気設備モニター開始セレモニー」を現地で開催しました。宇美町の木原町長、九州大学大学院の宮崎先生、そして当社社長の日野が出席し、モニタリング調査の協力体制を確認しました。
セレモニーの様子は、ケーブルステーション福岡の番組でも紹介されました。【動画はこちらから】
当社としては今後検証をすすめ、確個たる効果を確認した上で全国の体育館への採用を目指していく予定です。ご興味のある方は是非ご連絡ください。


左から日野(当社社長)、宮崎教授(九州大学)、木原町長(宇美町)


当施設から臨む当社宇美工場


※本記事のPDFデータはこちらから

※ケアフレッシュに関するお問い合わせはこちらから